健康保険組合からの保険給付

健康保険では、業務外で発生した病気やけがなどに対し、定められた各種の給付金を支給します。給付には、法律で決められた「法定給付」と健康保険組合が独自に上乗せする「付加給付」があります。

健康保険の給付

主に業務外の病気・けがなどに給付されます

被保険者や被扶養者が病気・けがをしたときや出産したときなど、いざというときに健保組合から支給される医療や手当金などを「保険給付」といいます。

保険給付の対象

・業務外の病気・けがなどの診察、入院
・薬剤、治療器具の費用
・在宅医療・看護
・出産
・死亡

保険給付の種類

給付方法の種類

現物給付

病気やけがをしたときなどに、医療費の3割(6歳未満は2割、高齢者は1~3割)で診療・治療などの医療サービスが受けられます。

現金給付

出産や死亡したときなどに、健保組合に申請することで現金で給付されます。

健康保険でかかれない場合

給付対象は国によって適用が認められている療養に限ります

×業務上や通勤途中のけが

勤務先の仕事(業務上)が原因となって起きた病気・けが、通勤途上の事故が原因となって起きた病気・けがは、健康保険の給付の対象とならず、労災保険(労働者災害補償保険)で診療を受けます。ただし、仕事中や通勤中のけがや病気でも労災保険の対象外の場合は健康保険が使えます。

×国によって適用されておらず「病気・けが」とみなされないもの

健康保険が使えるのは病気やけがをしたときの治療に限られます。

健康保険で受けられない場合 健康保険で受けられる場合
単なる疲労や倦怠 疲労の原因が病気と疑われるような症状
美容整形・近視の手術 けがの処置のための形成手術
先天性のシミ・アザの治療など 特に日常生活に支障のあるもの
健康診断・人間ドック 病気の疑いがあるときの精密検査
予防注射 はしか、百日咳、狂犬病、B型肝炎母子感染予防など
正常な妊娠・出産 つわりがひどい場合など

×介護保険からの給付を受けられるとき

介護保険で療養病床などに入院している場合など、介護保険からの給付が受けられるときには、それに相当する健康保険の給付は原則として行われません。ただし、急性期や別の病気により健康保険で医療機関を受診した場合は、健康保険が使えます。

保険給付が制限される場合

健康保険に該当しても制限される場合があります

業務外の病気・けがとして健康保険に該当しても、その原因や対応によっては、保険給付が制限される可能性があります。

全部を制限(埋葬料以外) ・故意に事故を起こしたとき
全部または一部を制限 ・けんか、泥酔などによるもの
・詐欺、その他不正に保険給付を受けたり、受けようとしたとき
・健保組合が指示する質問や診断などを拒んだとき
一部を制限 ・正当な理由もないのに医師の指示に従わなかったとき
保険給付の注意点

保険給付請求の時効は2年

各種一時金や手当金の請求には時効があります。いずれも2年を過ぎると給付を受ける権利がなくなりますので、注意してください。

保険料・保険給付の流れ

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